FVmapによる三面分布図の作成

三面分布図

1. 以下の例は、FVD5 の検索機能を使用して拡張メッシュデータを抽出し、FVmapで描かせた。
2. ３面を同時に描く他、水平分布図と断面分布図を分けて描くこともできる。
3. 二次メッシュから1/4メッシュまで、作図の精度を指定することにより、有効なデータのみを描く。

メッシュサイズの違い

分布データファイル

Ａ．標準地域メッシュコード（JIS X 0410準拠）によるデータファイル（*.grd）の構造

• 第２次地域区画（６桁）　　１次地域区画（1/20万地勢図相当）を表す4桁に、7,8桁目の数値を付加する
• ５倍地域メッシュ（７桁）　　２次メッシュを4分割した大きさ、２次メッシュコードに1～4の数値を付加する
• ２倍地域メッシュ（９桁）　　7,8桁目の数値は0,2,4,6,8で、9桁目の数値は5となる
• 第３次地域区画　（８桁）　　基準メッシュとも呼ばれる
• 1/2地域メッシュ （９桁）　　基準メッシュを南北・東西に各2分割、基準メッシュコードに1～4の数値を付加する
• 1/4地域メッシュ （10桁）　　1/2地域メッシュを南北・東西に各2分割、1/2地域メッシュコードに1～4の数値を付加する


• 拡張メッシュコード（9～13桁） 　このシステムで使用するコード、上記のメッシュコードの末尾に、ピリオドと標高の百位以上を付したもの
  
  • 例：　54407280.02　とは、該当メッシュで標高が200～299mの範囲にあることを示す
  • .00 は 0～99mの範囲
  • .99 は 標高が不明であることを示す。ピリオド以下が無い場合も同じ。
  
  
• 日本の経緯度は世界測地系に変更された。日本測地系で区画したメッシュコードには識別記号の”N”を末尾に付する。
  例　　54407280.02　　　　　 ← 世界測地系によるメッシュコードと解釈
  　　　 54407280N.02　　　　 ← 日本測地系によるメッシュコードと解釈
• FVmapでは、この２つを区別しない（できない）。

　データファイルの構造

• 凡例行、データ群、注釈行で構成される。



ブナ ≧ +　　　　　　　←　先頭が数字以外の文字であれば、凡例（グループ名） ; 地理区画,測定番号　　←　先頭がセミコロンは注釈行として無視 52333762.06; TN3634　　←　拡張メッシュコードと、データの注釈（識別記号） 52347223.04; TN3681　　←　作図時には、セミコロン以降の文字を無視する 53330776.03; TN3682　　←　ピリオドの次の2桁の数値は標高値の百位 　： 　： 52334078.07; TN4157 52336471.11; TN4421 51316716.09; TN4699 52347226.07; TN4700 52335184.10; TN4701 51327038.07; TN4702 533404.13; TN4511　　　←　精度が異なるデータの混在が可能 533304.09; TN4703 51326670.08; TN4704 2324797.11; TN4705 53341334.08; TN5242 ブナ ≧ 3　　　　　　　←　２番目の凡例（グループ名）と読む ; 地理区画,測定番号　　←　先頭にセミコロンがあるので、ここも注釈 51313720.11; TN4684 51324197.10; TN4685 51312791.09; TN4686 　： 　：



• データファイルの凡例数が６種未満の場合、別のデータファイルを読み込んで追加することができる。
• 分布点は読み込まれた順序で描画される。
• 上記の例では「ブナ ≧ 3」以下のデータの分布点が、「ブナ ≧ + 」のデータの分布点を上書きする。
• 分布点の重なりを表示したいときは、後のデータの記号を小さいものとするか、＋や×を用いる。
• 後のデータの記号を大きくすれば、重なりは示されない。
• 分のデータの［凡例］はデータファイルの順序と逆に、優先（上書き）されるものが上位に配置される。
• 現在読み込んでいるデータは、内蔵エディタで編集できる。凡例の名称はここで修正することが望ましい。

Ｂ．経度，緯度，標高によるファイル（*.csv）の構造

• 経度、緯度、（標高）の順にカンマで区切ったデータも使用できる。
• 経度、緯度は、東経、北緯の度を単位とした小数で示す。標高値を加える場合は m 単位。



; 樹木分布データ　 ←　先頭文字がセミコロン（ ； ）の行は、注釈行 スギ　　　　　　　 ←　先頭文字がセミコロンか数字でもない、データ群の凡例 138.012,34.55,123　←　経度、緯度（小数表現）と標高をカンマで区切る（x,y,z） 139.00,35.66,120 132.30,33.24,50 133.75,34.80,75 134.45,35.15,250 ．．．．．．　　　　　以下同様



• この形式（ｓｃｖ）のデータ行を、上記Ａのファイル中に混在してもよい。
  

分布データの一時的編集

• 分布データは、凡例数が６個まで、追加読み込みが可能。
• 読み込んだ分布データは、「編集」メニューをクリックして編集ウィンドウを表示し、データを一時的に訂正することができる。
  
  
  

　植物の分布データを抽出

• FVD5の位置情報抽出機能を用いて、データベースから分布情報を得ることができる。
• 抽出したデータは、そのまま、FVmapに読み込ませることができる。

　組成表から分布データを抽出

• FVT5の表操作で分類された群落の位置情報を抽出して、分布図にすることができる。
1. ［ファイル］メニュー
2. ［分布データ等を出力する］
3. ［メッシュ分布データ］を選択
4. 出力するファイル名が、分布データの凡例名となる。
• 抽出したデータは、そのまま、FVmapに読み込ませることができる。

FVmapで三面分布図を描く

起動時の各種設定

• ２回目以降は、FVmap.ini に記録された前回の設定が再現される。
• 別の設定ファイルを読み込むことで、一括設定できる


• ［地形図ファイル］は東西・南北断面図を含む所定の形式のファイル。
• ［データファイル］は、画面上に別のファイルをドロップしても変更できる。
• ［ファイル］メニューの［分布データを追加］から、別のデータファイルを読み込み、凡例数が８まで追加できる。
  
• 作画する範囲は、緯度・経度、又は北東・南西隅の地理区画コードで指定する。
  （地形図ファイルの地図範囲より広くならないように指定）
• ［緯度幅／経度幅］は、緯度によろ地理区画の変形を補正する係数。
  中心緯度で自動計算された値が表示されるが、別の値を入力しても良い。
• ［凡例位置］は、水平分布図上に描く凡例の左上の座標。作画後に変更する方が簡単。


• ［作成する分布図］は、１つ以上指定する。
  標高情報のないデータは水平分布図にのみ使用される、断面分布図では無視される。
• ［点の精度］で指定した精度に満たないデータは無視される。
• ［区画線］は、背景となる格子線、描画範囲に見合うものを指定する。
• ［県界］、都道府県の行政区画を背景に描くときはチェックを入れる。
• 海岸線、行政界、区画線の色は、それぞれのボタンをクリックして指定する。
• 作画する地図が大きい場合、海岸線と行政界の線幅を拡大することができる。


• ［全終了］のクリックで、FVmapを終了する。
• ［変更中止］のクリックで、設定変更を取り消し、地図に戻る。
• ［分布図を作成する］のクリックで、設定にしたがった再描画を行う。

描画後の設定変更

　［設定パネルで変更

　［表示］メニュー

• 三面分布図を表示　　水平と断面の三面分布図を表示する
  水平分布図の上に東西断面分布図、左に南北分布図を配した三面分布図が、ウィンドウの大きさに収まるよう表示される。


• 水平分布図を表示　　水平分布図のみを表示する
  水平分布図のみが、ウィンドウの大きさに収まるよう表示され、図のX軸、Y軸には経度、緯度が表示される。


• 断面分布図を表示　　東西・南北の断面分布図を表示
  東西断面図と南北断面図画が、ウィンドウの大きさに収まるよう表示される。
  このとき、断面図のX軸の幅は、選択範囲に合わせて調整され、幅が広い方が画面の横幅に合わせられる。
  図のX軸には経度または緯度、Y軸には標高が表示される。


• 画面の高さに収める　 現在の図を、アクティブ・ウィンドウの高さに収まる大きさにする
  図（群）の大きさをウィンドウの高さに合わせて、再描画する。
  
  
• 画面の横幅に収める　現在の図を、アクティブ・ウィンドウの高さに収まる大きさにする
  図（群）の大きさをウィンドウの幅に合わせて、再描画する。
現在の画面の高さ・幅にきっちり収まらない場合もある。

垂直断面分布図の標高方向の幅を調整するには、アクティブ・ウィンドウの縦横比を調整しながら、
「横幅に収める」表示を試行して、適正なドット間隔を求めると良い。


• 画面の２倍大にする　現在の図を、アクティブ・ウィンドウの２倍の大きさにする


• 画面の４倍大にする　現在の図を、アクティブ・ウィンドウの４倍の大きさにする
  日本全体で分布図を描き、地域別に詳しく見る場合に使用する。

• 水平分布図の縦横比が正しくないときは、「設定画面」の「作図範囲」にある［緯度幅／経度幅］の数字を修正する。数値が大きくなると、地図は南北方向に延びる。 なお、［緯度幅／経度幅］の文字上を左クリックすると作図範囲の平均緯度に合わせた数値が計算される。

　凡例の編集

• ［凡例の左上指定］を選択した後、図上の任意位置をクリックすると、そこを凡例枠の左上とする位置に再描画される。
  （東西分布図の左側の空白部をクリックすると、ここに凡例が置かれる。）


• ［凡例を編集する］を選択すると、以下が編集可能になる。
  
• 記号の形：　　　ドロップダウン・リスト選択
• 記号の大きさ：　ドロップダウン・リスト選択
• 記号の色：　　　色の部分をクリックして選択
• 縁取り：　　　　黒色の縁取り有無を選択
• 凡例：　　　テキストボックスを直接編集する


• 編集終了後に［再描画］ボタンをクリック
• 記号の種類、大きさ、色、縁取りの有無は、終了時の設定ファイルに保存される。
• 項目名は保存されない。これは、分布データファイルで修正しておく。

　作図画面下部のステイタス・バー

• 作図画面の最下部に、現在の分布データファイル名、作図の点精度、区画（格子）の大きさが表示される。


• 水平分布図上でマウスの左ボタンを押下すると、ポインタ位置の緯度、経度、メッシュコードが表示される。
  （緯度、経度は度．分秒 ddd.mmss の形式）
• 断面分布図上では、ポインタ位置の緯度（南北断面図）、又は経度（東西断面図）、標高（m）が表示される。
• この機能は、プロット位置を確かめるときに用いる。

複数データの描画

• データファイルの行で行、頭にセミコロンが付かない文字列は凡例と見なされ、それ以降の数値行が位置データとしてプロットされる。 （従って、数値データだけのファイルはプロットされない）


• 別のデータファイルを読み込んで追加することもできる（合計６種類まで）。
• 分布点は読み込まれた順序で描画されるため、分布点が重なる場合には、後から読み込まれたもので上書きされる。 従って、上書きしたいデータは後方に置くか、後から読み込む。
• 描画された分布図の［凡例］は上書きされたものが上位に配置される（読込みと逆順）。
  
• 現在読み込まれた分布データは、内蔵エディタで編集できるので、凡例の名称もここ修正する。

分布図の出力

全体画像（三面分布図、東西・南北の断面分布図）

• ［ファイル］メニューの［図をEMF形式で保存］を選択、「エンハンスド・メタファイル」として保存する。 別アプリの文書中に、「ファイルから挿入」する。
• jpg, png 等、他形式への変換は、画像アプリで行う。




• ［編集］メニューの［図をクリップボードへ］を選択、画面がクリップボードにコピーされる。
  コピーした図は、他のソフトで文書中に貼り付けるが、BMPとEMFのどちらが精密かは、画面の大きさによる。

設定ファイルの構造

• 標準設定ファイル（FVmap.ini） は、起動時に読み込まれ、
  起動画面上で訂正、または、別の設定ファイルの読み込みで変更される。
  
• 終了時には、その時点の設定が FVmap.ini に保存される。
  
  したがって、変更したくない設定値は別の名前をつけて保存しておく。
  

地形図データファイルの構造