ブナ科 Fagaceae-3 (コナラ属-1、コナラ亜属-1)
コナラ属 Quercus コナラ亜属 Quercus (殻斗の鱗片が瓦状に並ぶ)
日本語では、殻斗果(どんぐり状果)を持つ常緑樹をカシ、落葉樹をナラと呼ぶ。だから、分類学上はコナラ亜属のウバメガシもナラではなく、カシ。
イギリスではコナラ属は落葉樹しかないから、オーク(oak)はナラであって、カシとは呼べない。
クヌギ Quercus acutissima Carruth.
岩手県・山形県以南の本州、四国、九州、南西諸島、及び台湾、朝鮮、中国、熱帯アジアの暖温帯に分布する雌雄異花同株の落葉高木。
広島県:島嶼部、沿岸地から山間地に生育し、4~5月に咲いて、翌年の秋に熟す。コナラと共に、暖温帯の雑木林の主要構成樹種である。
天然生林は少なく、ほとんどが植栽由来であろう。
広島県植物誌 p. 98;東城町植物誌 p.80;海山博物 p.204(どんぐり);呉市植物誌 p.74;呉市目録 p.105;北広島町 p.136;
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市町村指定天然記念物
三次市日布野町上布野 クヌギ
北広島町西八幡原 西八幡原のクヌギ
ナラガシワ Quercus aliena Blume
岩手県・秋田県以南の本州、四国、九州、及び台湾、朝鮮、中国、熱帯アジアの暖温帯に分布する雌雄異花同株の落葉高木。
広島県:沿岸地から山間地に広く分布するが、優占種にはなりにくい。4~5月に咲いて、当年の秋に熟す
広島県植物誌 p. 99;植物図選Ⅱ-28;東城町植物誌 p.80;呉市植物誌 p.74;呉市目録 p.105;北広島町 p.176;
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広島県指定天然記念物
三次市三良坂町
灰塚のナラガシワ
市町村指定天然記念物
府中市上下町小堀 河井のナラガシワ
世羅町別迫 ナラガシワ
(北広島町雲耕・東八幡原のナラガシワ群生地は、ナラガシワでなくカシワである)
アオナラガシワ Quercus aliena Blume f.
pellucida (Blume) Sugim.
= Quercus aliena Blume var. pellucida Blume
中部地方以西の本州、九州、及び朝鮮、中国の暖温帯に分布する雌雄異花同株の落葉高木。
広島県: 西部山間地に生育する。
植物誌補遺 p.6.
葉の下面の星状毛がほとんど無い型。
ミズナラ Quercus crispula Blume
= Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. subsp. crispula (Blume) Menitsky
(このように、モンゴリナラの亜種とする意見も根強い)
= Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. var. crispula (Blume) H.Ohashi
- Quercus grosseserrata Blume
= Quercus mongolica Fisch. ex Ledeb. var. grosseserrata (Blume) Rehder & E.H.Wilson
南千島、北海道、本州、四国、九州、及び朝鮮、極東ロシアの冷温帯・寒温帯に分布し、優占林を形成する雌雄異花同株の落葉高木。
ブナと混生するが、降水量が少ない地域では純林状のものがある。
広島県:高原面から山地に生育し、5月頃に咲いて、当年の秋に熟す。
広島県植物誌 p. 100、図8(分布図);東城町植物誌 p.80;呉市植物誌 p.74;呉市目録 p.106;芸北自然 p.30;北広島町 p.176;
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ブナ帯(冷温帯)の薪炭林として、定期的に伐採されることにより優占林の形が維持されてきたから、ミズナラ優占林が60年以上の齢になったのは歴史的には初めてではないか。
穿孔性昆虫のカシノナガキクイが運ぶ菌によって枯れる現象(なら枯れ)は、必ずしも、異常とはいえないだろう。
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